オリエント急行殺人事件を味わう

この本で味わいたい文章は、わりとはじめのあたりにありました。 英文から引用してみましょう。引用はこちらの本から。 オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者: アガサクリスティー,山本やよい 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2011…

オデュッセイア

オデュッセイアに取り組むにはまずこのマンガでしょう。 オデュッセウスの航海―マンガ・ギリシア神話〈8〉 (中公文庫) 作者: 里中満智子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2004/06/01 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (3…

オリエント急行殺人事件

オリエント急行殺人事件を特集していきます。 まずは原文の本を2つ。 Murder on the Orient Express (Poirot) (English Edition) 作者: Agatha Christie 出版社/メーカー: HarperCollins 発売日: 2010/10/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る…

ホメロスのイリアス

イリアス〈上〉 (岩波文庫) 作者: ホメロス,Homeros,松平千秋 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1992/09/16 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 53回 この商品を含むブログ (56件) を見る イリアス〈下〉 (岩波文庫) 作者: ホメロス,Homeros,松平千秋 出…

モルグ街10日目

Let it not be supposed, from what I have just said, that I am detailing any mystery, or penning any romance. いま言ったことから、私がなにか神秘的なことを語ったり、なにかロマンスを書いたりしようとしているなどと思ってはならない。 penningとは…

モルグ街9日目

At such times I could not help remarking and admiring (although from his rich ideality I had been prepared to expect it) a peculiar analytic ability in Dupin. そうしたときに私は、デュパンの特殊な分析的能力を認めたり、感嘆したりせずにはいら…

森鴎外の訳したモルグ街

明治の文豪・森鴎外が翻訳した「モルグ街の殺人事件」もあります。 エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 病院横町の殺人犯 THE MURDERS IN THE RUE MORGUE 森鴎外の本名・森林太郎として訳されています。こちらは英語から日本語でなく、ド…

作品と一体化するとは

このブログでは文学と一体化する方法と銘打って、作品鑑賞の手法を紹介しています。 そもそもそのアイデアはどこから来ているのか。 きょうはそれを紹介します。 映画で桐島、部活やめるってよという作品があります。 桐島、部活やめるってよ 発売日: 2013/1…

書くための技法

作品と一体化するため、ノートに書くのも重要です。 ペンも書き心地のよいものを選びましょう。 パイロット 油性ボールペン ドクターグリップ Gスペック 0.7 フラッシュホワイト BDGS-60R-FW 出版社/メーカー: PILOT メディア: オフィス用品 クリック: 1回 …

モルグ街8日目

Had the routine of our life at this place been known to the world, we should have been regarded as madmen — although, perhaps, as madmen of a harmless nature. ここでの我々の日常生活が世間に知れたなら、我々は狂人と――もっともたぶん、害のない…

江戸川乱歩「D坂の殺人事件」

少し脇道にそれますが、ポーをたいへん敬愛していた日本人作家に江戸川乱歩がいます。 モルグ街の殺人事件が世界最初の探偵小説とすれば、江戸川乱歩のD坂の殺人事件もまた日本における探偵小説の記念碑的作品でしょう。 D坂の事件ではポーのモルグ街の殺人…

モルグ街7日目

Residing in Paris during the spring and part of the summer of 18 — I there became acquainted with a Monsieur C. Auguste Dupin. 一八――年の春から夏にかけてパリに住んでいたとき、私はC・オーギュスト・デュパン氏という人と知合いになった。 resid…

モルグ街6

The analytical power should not be confounded with simple ingenuity; for while the analyst is necessarily ingenious, the ingenious man often remarkably incapable of analysis. 分析力と、単なる工夫力とを、混同してはならない。なぜなら、分析家…

モルグ街5

Whist has long been noted for its influence upon what is termed the calculating power; and men of the highest order of intellect have been known to take an apparently unaccountable delight in it, while eschewing chess as frivolous. ホイス…

モルグ街 訳書紹介

モルグ街の訳書はたくさん出ていますが、正統派で信頼のおけるのは丸谷才一さんのこの本でしょう。格調高い文です。 和田誠さんのイラストも素敵ですね。 ポー名作集 (中公文庫) 作者: エドガー・アランポー,丸谷才一 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日:…

モルグ街の殺人事件4

The attention is here called powerfully into play. この場合、注意力こそ強く要求されるのだ。 call 〜 into play 力を活用する、です。 If it flag for an instant, an oversight is committed, resulting in injury or defeat. ちょっとでも注意がゆる…

モルグ街の殺人事件3

He is fond of enigmas, of conundrums, of hieroglyphics; exhibiting in his solutions of each a degree of acumen which appears to the ordinary apprehension preternatural. 彼は、謎なぞや、難問や、象形文字が好きで、凡人の理解力では超自然とも見…

作品と一体化する方法

英文の精読に伴ってやるべきことは色々あります。 基本は英文の読解から始まります。 まず原文を一文ずつノートに書き写しましょう。 最初は意味がわからなくて構いません。 一文書いてみて、その後に日本語訳を眺めながら、文法を解読します。 知らない単語…

ポーに関する参考図書

ポーは19世紀前半の人でしたが、この時代の文学者たちの作品や経歴を載せた本です。 かなり重厚で、箱入りです。 集英社ギャラリーというシリーズで、ギャラリー=画廊のように作品を眺めていける構成になっています。 口絵や挿絵が多いのも嬉しいです。 …

モルグ街の殺人事件2

THE mental features discoursed of as the analytical, are, in themselves, but little susceptible of analysis. 分析的なものとして論じられている精神の諸作用は、実は、ほとんど分析を許さぬものなのである。 be susceptible of 分析を許す littleはほ…

「モルグ街の殺人事件」と一体化する

はじめまして。 このブログでは文学を五感で味わう方法を紹介しています。 五感で味わうとは、 原文をまずは実際にペンで書いて、 それを読んでみて、 オーディオブックで聴いて、 なぞった字に触れてみて、 そしてその作品自体を鑑賞して味わうことです。 …